WiMAXのLTEオプションとは?切り替え方法やメリット・注意点を紹介
WiMAXサービスには、通信エリアを広げることができる機能として「LTEオプション」があります。
例えば、電波が繋がりにくい屋内や山間部でWiMAXを使いたいときにLTEオプションを使うと、回線をLTE通信に切り替えて電波を入りやすくすることが可能です。
5Gのサービスが開始されてからは、LTEオプションにも変化が見られています。
WiMAX2+から5Gサービスへの変更と共に、LTEオプションはどう変わったのか?
本記事では、LTEオプションについてみなさんの疑問、切り替え時の注意点について詳しく解説しています。
これからWiMAXへの新規申し込みや乗り換え、5Gサービスへの切り替えを検討されている人は、ぜひ最後まで読み進めてください。
- LTEオプションとは、au 4G LTE回線のうちのプラチナバンドが利用できる有料オプション
- 利用することで屋内での電波状況が改善する
- WiMAX 2+の場合は月間7GB以上利用すると速度制限が翌月まで解除できない
- WiMAX +5Gの場合はLTEオプションが利用できるモードのみ速度制限がかかり通常モードは実質パケット無制限感覚で利用継続可能
- 電波状況や速度に問題がなければLTEオプションは不要
WiMAX LTEオプションとは
WiMAXのLTEオプションとは、au 4G LTE回線のうちのBand18/26のいわゆる「プラチナバンド」が利用できるようになる有料オプションサービスのことを指します。
現在国内のWIMAX回線はWIMAX2+とWiMAX+5Gの2種類がありますが、LTEオプションの中身については変わっていませんが、提供サービスごとに呼び方に変化がありました。
LTEオプションの名称
- WiMAX 2+|ハイスピードプラスエリアモード
- WiMAX +5G|プラスエリアモード
LTEオプションの料金はすべて同一
WiMAXに関しては、UQコミュニケーションズ株式会社が提供するサービスを各社が再販売している形となっているため、オプション利用料金について違いはほとんどありません。
多くの場合、一律1,100円(税込)/月となっています。
よって、LTEオプションの料金比較は不要です。
本家UQ WiMAXだからといってプラスエリアモード/ハイスピードプラスエリアモードが無料となるわけではありませんので注意しましょう。
WiMAX 2+/WiMAX +5G共通|LTEオプションの切り替え方法と利用方法
WiMAXの通常の通信モードから「LTEオプション」を使用する場合の切り替え方法は、設定から通信モードを変更するだけで簡単に切り替えることができます。
モバイルルーター端末の場合はディスプレイから、ホームルーターの場合は本体に備えつけられた切り替えスイッチのオンオフボタン、もしくはブラウザから本体の設定画面にアクセスすることで切り替え可能です。
LTEオプションに切り替えた場合、切り替えた瞬間にオプション料金が発生します。
また、設定を弄らない限りLTEオプションに勝手に切り替わることはありません。
機種ごとの詳細な切り替え設定については、下記に紹介する取扱説明書の当該項目をご覧ください。
LTEオプションのメリット
既存のWiMAXで利用できる回線に加えて、auのプラチナバンドが利用できるようになる「LTEオプション」ですが、どんな場面で役に立つのでしょうか?
まずはメリットから確認していきましょう。
LTEオプションを使うことのメリットは次の2つです。
- auのプラチナバンド開放で利用エリアが広がる
- 障害物に強く建物内や地下でも繋がりやすい
- セット割を適用すれば無料で利用できる
順に解説していきます。
1.auのプラチナバンド開放で利用エリア(範囲)が広がる
au 4G LTE回線のうちのBand(バンド)18/26は、人口カバー率99%以上を誇ります。
プラチナバンドはカバーエリアが広いため、通常モードで電波が入りにくかった場所でも繋がりやすくなるというメリットがあるのです。
特にWiMAX 2+回線の接続範囲は若干狭いため、利用エリアが広がるのは大きな魅力です。
ただし、WiMAX +5Gでは、WiMAX 2+回線に加えて、au 4G LTE回線のうちのBand1/3が利用できるため、通常モードでも利用可能エリアが広くなっているため、LTEオプションは補助的な利用となるでしょう。
WiMAXの対応エリア検索
2.障害物に強く建物内や地下でも繋がりやすい
プラチナバンドの周波数帯は800MHz帯であるため、WiMAX +5Gがメインで利用するau 4G LTE回線のBand1/3や、WiMAX 2+で利用するBand41と比較すると、ずっと低い周波数を利用しています。
電波は低周波周帯になるほど減衰しにくく、透過性が高くなるので建物内の障害物を回り込んで届きやすいという電波特性を持っているため、LTEオプションを利用することで、電波状況が悪かった建物の中や地下鉄などの屋内でも繋がりやすくなるというメリットがあるのです。
また、ホームルーター/モバイルルーターを使用している場合、電波の届きにくい田舎や山間部でも利用できるようになる可能性があります。
WiMAXの提供エリア外で繋がらない際の対策にもなりうるのです。
3.セット割を利用することで無料で利用可能
WiMAX +5Gに限りますが、お使いのスマートフォンがauもしくはUQモバイルの場合、セット割の申請を行うことでLTEオプションが無料で利用可能です。
auスマートフォンを利用してる方
最大1,100円(税込)/回線をauスマートフォン利用料金から割引(auスマートバリュー)
特典
- WiMAX +5Gプラスエリアモード利用料金が無料(通常1,100円(税込))
- WiMAX +5Gプラスエリアモードパケット上限が30GBへ増量(通常15GB)
UQモバイルを利用している方
最大1,100円(税込)/回線をUQモバイル利用料金から割引(UQモバイル自宅セット割インターネットコース)
特典
- WiMAX +5Gプラスエリアモード利用料金が無料(通常1,100円(税込))
ただし、WiMAX 2+はセット割に対応していませんのでご注意ください。
LTEオプションのデメリット
やはりメリットがあれば当然デメリットも存在します。
ここでは、LTEオプションのデメリットについてチェックしていきましょう。
- 月間指定パケット容量をを超過すると翌月まで通信制限を解除できない
- 基本的に利用料金が掛かる
WiMAXを利用するうえで見過ごせないポイントなので、次から詳しく解説していきます。
月間指定パケット通信量を超過すると翌月まで通信制限を解除できない
LTEオプションには月間データ通信量に上限があり、超過すれば通信速度は128kbpsの速度制限が掛かります。
さらに、データチャージなどで速度制限を解除する方法は用意されておらず、通信制限は翌月の1日まで制限解除ができません。
WiMAXごとのLTEオプションの月間通信容量上限は下記の通りです。
LTEオプションの名称
- WiMAX 2+|月間7GBまで
- WiMAX +5G|月間30GBまで
プラスエリアモード(WiMAX +5G)とハイスピードプラスエリアモード(WiMAX 2+)の違い
WiMAX 2+とWiMAX +5Gで制限される対象モードが異なっている点については注意する必要があるでしょう。
WiMAXでは「通常モード」と「LTEオプション」が存在します。
WiMAX 2+でLTEオプションをオンにした状態で月間7GB以上利用した場合、通常モード(ハイスピードモード)とLTEオプションを利用した「ハイスピードプラスエリアモード」の両方で速度制限がかかり、翌月1日まで速度制限を解除することはできません。
WiMAX 2+ではLTEオプション利用時に月間7GBを超えたら即座に速度制限がかかります。
すごい厳しいペナルティだね…
一方、WiMAX +5GでLTEオプションをオンにした状態で月間15GB以上利用した場合、制限がかかるのはLTEオプションを利用するモード(プラスエリアモード)のみで、通常モード(スタンダードモード)は実質月間パケット無制限感覚で利用することができます。
つまり、月間15GB以上利用した場合、au 4G LTE回線のうちの「プラチナバンド」のみが速度制限の対象となるだけで、スタンダードモードに関しては制限がかかりません。
利用回線の違いに関しては下記をご参照ください。
WiMAX +5G | WiMAX 2+ | |
---|---|---|
標準で利用できる回線 | WiMAX 2+(Band41) au 4GLTE(Band1/3) au 5G(N78) (スタンダードモード) | WiMAX 2+(Band41) (ハイスピードモード) |
オプションで利用できる回線 | au 4GLTEプラチナバンド (Band18/26) | au 4GLTEプラチナバンド (Band18/26) |
つながりやすさ | つながりやすい | つながりにくい |
利用しやすいのは間違いなくWiMAX +5Gでしょう!
そもそもWiMAX 2+とWiMAX +5Gの違いは?
WIMAX 2+とWIMAX +5Gの違いをざっくりと確認してみましょう。
- 通信速度
- エリア範囲
- 繋がりやすさ
- 周波数帯
- LTEオプションの月間パケット容量上限
- 3日間制限の有無
WIMAX 2+からWiMAX +5Gに変わったことによる最大の変化は、通信速度と繋がりやすさが格段に向上した点です。
特に通信速度ですが、WiMAX 2+が最大1.2Gbpsに対して、WiMAX +5Gは2.7Gbpsと倍以上になりました。
さらにスタンダードモードで使用できる周波数帯が増えたことです。
WiMAX 2+はBand41の2.5GHz帯のみだったのに対し、WiMAX +5Gではau 4G LTE回線がLTEオプションを使わなくても使えるようになりました。
WIMAX 2+では速度低下が起きたり繋がらないケースでも、WiMAX +5Gでは屋内外でもスムーズに使えるというのが最大の違いです。
そのほか、3日間の合計消費容量上限による速度制限が無くなったことで、今まで以上に使いやすくなりました。
基本的に利用料金が掛かる
LTEオプションは基本的に有料オプションであるため、使う場合には追加料金が掛かります。
ほとんどのWIMAXサービスでは、auスマートバリュー/UQモバイル自宅セット割インターネットコースの適用で無料特典とされていて、一部のプロバイダでは無条件で無料提供されているケースもあるのです。
もしもauスマートバリュー・UQモバイル自宅セット割インターネットコース非適用でLTEオプションに切り替えた場合、その瞬間からオプションの利用料金が発生するので要注意です。
誤ってLTEオプションに切り替えないように設定で規制しておくことをおすすめします。
セット割なしでLTEオプションが無料となっているWiMAXプロバイダーは「5G CONNECT」です。
LTEオプションを規制する方法
LTEオプションに誤って切り替えないように、設定からプラスエリアモード規制のモードロックを掛けることが可能です。
LTEオプション規制の手順は、次の流れで行えます。
- インターネットブラウザから管理画面にアクセス
- ネットワーク設定からLTEオプションの規制を選択する
管理画面へのアクセス方法は機種ごとに異なるので、端末に同梱の説明書をご参照ください。
LTEオプション規制を掛けた端末からは、通常モード以外のモードを使用することができなくなります。
誤作動やLTEオプションの容量を節約したい人は、設定からの規制を活用してください。
WiMAXのLTEオプションはいる?いらない?
スタンダードモードで安定した通信が可能な環境であれば、LTEオプションは必須ではありません。
つまり、無理に「LTEオプションはいらない」ということです。
外出先や仕事で屋外での使用機会が多い、または屋内が特殊な構造で繋がりにくいなどの状況下にある場合、LTEオプションを検討する価値は十分にあります。
自分の利用状況と相談し、必要であれば利用も検討しましょう。
まとめ
WIMAXのLTEオプションについてお伝えしてきました。
LTEオプションはWIMAX 2+とWiMAX +5Gで「au 4G LTE回線(プラチナバンド)」を利用することを指し、機能的にはどちらもほとんど同じです。
スタンダードモードでは繋がりにくい状況でも、LTEオプションのプラスエリアモードに切り替えればauのプラチナバンド開放でスムーズな接続が期待できます。
LTEオプションは便利な機能ですが、基本的に有料でスタンダードモードの回線でも普段使いなら特に大きな影響がないので必須ではありません。
あくまでLTEオプション=プラスエリアモードは、WiMAXの使用できる幅が広がるという便利機能です。
WiMAX +5G自体がWIMAX2+から格段に利便性が向上し、国内のWiFiのなかではトップクラスのサービスと言えるでしょう。
LTEオプションは必須ではありませんが、ベストを目指すなら価値のある機能です。
あなたのWIMAX選びの参考として、今回の記事が手助けになることを願っています。
WiMAX LTEオプションに関するよくある質問
ここではWiMAX LTEオプションに関するよくある質問について回答していきます。
WiMAXでは利用周波数帯域を切り替えることはできますか?
- WiMAXでは利用周波数帯域を切り替えることはできますか?
-
WiMAX 2+/WiMAX +5GでLTEオプションをオンにした場合、LTEオプションを優先/もしくは回線を自動で選択・組み合わせて通信を行うようです。
よって、周波数帯域の選択はできません。
LTEオプションを使わないと損をしますか?
- LTEオプションを使わないと損をしますか?
-
損をすることはありません。
通常モードでも問題なく通信できているのであれば、LTEオプションを無理に利用する必要はありません。