ポケット型WiFiとパソコンを繋ぐ3つの接続方法を紹介
外出先にも持ち運べるポケット型WiFiは、インターネットを仕事にもプライベートにも使う人にとって便利なアイテムです。
基本的には携帯用として使われるポケット型WiFiですが、パソコンに繋げて固定回線のように使っている人もいるのではないでしょうか?
本記事ではポケット型WiFiとパソコンを繋ぐための3つの接続方法をはじめ、接続時の注意点や繋がらないときの対処方法を紹介していきます。
パソコン(PC)とポケット型WiFiとの3つの接続方法
パソコン(PC)とポケット型WiFiを接続するためには、次の3つの方法が用いられます。
- 無線LAN接続
- USBによる有線LAN接続
- クレードルを使いポケット型WiFiとPCを有線LAN接続
近年はモバイルPCの利用者が増えているので、無線LANによるノートパソコンとポケット型WiFiの接続方法を知っている方も多いことと思われます。
逆に、ポケット型WiFiとパソコンの有線LAN接続(PC接続)方法を知らなかった人もいるのではないでしょうか?
次からは、パソコンとポケット型WiFiとの各接続方法について詳しく解説します。
1.無線LAN接続
無線LAN接続には、使用するパソコンがWiFiに対応していることが前提です。
WiFiに対応しているパソコンから「インターネットの設定」を開き、WiFi設定画面からポケット型WiFiのSSIDとパスワードを入力しましょう。
OSや機種によって表現が異なりますが、ネットワーク設定の手順は大体同じです。
SSIDとパスワードはポケット型WiFiの本体背面に貼られているラベル、もしくは製品に同梱されている説明書や書類に記載されています。
入力に間違いが無ければ、設定画面から正常にWiFi接続がされたことを確認して設定完了です。
2.USBによる有線LAN接続
パソコンとポケット型WiFiについてあるUSB端子同士を、USBケーブルで繋ぐことで有線接続が可能です。
お互いを繋ぐことで通信速度の安定が図れるほか、ポケット型WiFiを充電しながら使用できるというメリットがあります。
USBポートには形状に違いがあり、パソコンとポケット型WiFiを繋ぐ場合はType-AかType-CのUSBコネクタを使うのが一般的です。
最近のパソコンは3.0以上のUSB規格とType-Cのコネクタを採用しているケースがほとんどなので、USBケーブルも規格に合わせたものを使用しましょう。
3.クレードルを使いポケット型WiFiとPCを有線LAN接続
ポケット型WiFiの充電用スタンドであるクレードルがあれば、本体背後にあるLANポートからLANケーブルを繋いで有線LAN接続が可能です。
一般的なモバイルルーターにはUSB端子が付属していますが、USB接続・有線接続ができない機種の場合にはこの方法を使いましょう。
ノートパソコンの種類によってはLANポートが無いものもあるので、LANポートを使う場合は要確認です。
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パソコンとポケット型WiFiを有線接続する4つのメリット
パソコンとポケット型WiFiを繋げるのには、無線接続ではない次のメリットが4つあります。
- 通信速度の向上・安定
- ポケット型WiFiとパソコンで有線と無線の同時接続が可能
- セキュリティ面での強化
- 無線LANに非対応の機種にもネットワーク接続ができる
それぞれのメリットについて、次から詳しく解説していきましょう。
1.通信速度の向上・安定
最近の無線LAN接続は高速化が進んで、光回線以上の通信速度が出せることも珍しくなくなりました。
しかし、通信速度はあくまで理論値なのでWiFiの特性上、電波干渉などの理由で速度低下や通信状態が安定しないデメリットがあります。
そこでパソコンとポケット型WiFiを有線のケーブルで直接繋ぎ、電波干渉を防ぐことで通信速度の向上・安定化が可能です。また、わざわざ周波数を切り替える手間もありません。
特にポケット型WiFiでオンラインゲームをするときなどは、いかに性能の高いゲーミングPCを使用していても無線接続時は通信速度の低下やラグが発生しやすいです。
人が集中しやすい夜にポケットWiFi型の通信速度が遅い・遅くなったという場合には、通信速度を上げる手段としてパソコンとの有線接続をおすすめします。
2.ポケット型WiFiとパソコンで有線と無線の同時接続が可能
無線と有線は同時接続が可能なため、一方がWiFi接続をして、もう一方は有線接続といった使い方ができます。
インターネット接続の手段がポケット型WiFiだけの人でも、ノートパソコンとスマートフォンを使って有線と無線の同時接続によるマルチタスクが可能です。
注意点として、ポケット型WiFiの電波を有線と無線で分け合うことになるので、通信速度に多少の影響が出ることも覚えておきましょう。
3.セキュリティ面での強化
WiFiは電波という特性上、不正アクセスや乗っ取りといったネットワークの安全性に不安があるのが難点です。
ポケット型WiFiとパソコンを有線接続することで、ケーブルの範囲内でのネットワーク通信が確保されてセキュリティ面の強化に繋がります。
ただし、ポケット型WiFiのそもそもの回線が無線であることには変わりありません。
WiFi回線自体がタダ乗りされる恐れがあるので、外出時に使用する際は使用端末のみにアクセス制限を掛けたりして対策を取りましょう。
4.無線LANに非対応の機種にもネットワーク接続ができる
古いパソコン製品には無線LANに対応していない機種があり、WiFi接続ができない端末の場合には有線LAN接続でインターネットに繋ぐことが可能になります。
製品によっては搭載されているコネクタの種類が限られていて、LANポートとUSBのいずれかがないケースも少なくありません。
ポケット型WiFiで有線接続をする場合、USB接続とLANポート接続のいずれかができないケースも想定して、どちらにも対応できるように備えておきましょう。
パソコンとポケット型WiFiを有線接続する2つのデメリット
通信速度の改善やセキュリティ強化などのメリットが多いですが、パソコンとポケット型WiFiの有線接続には次のような2つのデメリットがあります。
- 有線LAN接続をするための機器費用が掛かる
- 付属品がかさばって持ち運びの利便性が失われる
各デメリットについての解説を、次から順にチェックしていきましょう。
1.有線LAN接続をするための機器費用が掛かる
有線LAN接続にはUSB・LANケーブルやクレードルなどの周辺機器が必要になるため、用意するための機器費用が掛かります。
USBケーブルは本体と一緒に同梱されていることが多いですが、クレードルは別料金で扱われるケースが多いです。
レンタルの場合だと、ポケット型WiFiとクレードルがセットで貸し出しされている会社もありますが、ほとんどのケースではクレードル分の別料金が計算されています。
2.付属品がかさばって持ち運びの利便性が失われる
有線接続に必要な付属品が増えることによって、荷物が増えて手軽に持ち運べるポケット型WiFiの利便性が失われます。
ポケット型WiFiは周辺機器などのアクセサリが多く、ケーブルやクレードルなどコンパクトなものでも数が増えるとかさばりやすく、整理の手間が増えてしまうのも面倒です。
パソコンとポケット型WiFiを有線接続するときの3つの注意点
デメリットとは別に、パソコンとポケット型WiFiを有線接続するときの3つの注意点を覚えておきましょう。
- 有線と無線の同時接続はパケット容量とバッテリーの消耗が激しくなる
- ケーブルの規格を通信規格に合わせないと速度が出ない
- 電波の届きやすい場所で使わないと通信が安定しない
それでは順番に、各注意点について解説していきます。
1.有線と無線の同時接続はパケット容量とバッテリーの消耗が激しくなる
ポケット型WiFiは1本の回線を接続数に応じて共有しているため、同時接続によってバッテリーとパケット容量の消費が早くなります。
バッテリーの消耗は本体への負担になり、故障や寿命を早める原因になりやすい要因です。
料金プランが無制限ではない場合、容量超過になりやすく速度制限を引き起こします。
無制限プランの場合でも、月間容量上限が決まっているLTEオプションの使用時は要注意です。
パケット容量とバッテリーの消費を抑えたいのであれば、どちらか一方の接続方法で使用する方が良いでしょう。
特にiPhoneはバッテリー容量が少ない傾向なので、パソコンやノートパソコンとの併用時には、ポケット型WiFiだけではなく使用端末の消耗にも注意が必要です。
2.ケーブルの規格を通信規格に合わせないと速度が出ない
USBケーブルとLANケーブルには規格があるため、ケーブルと端末の通信規格が合っていないと通信速度が落ちることがあります。
以下のUSBケーブルとLANケーブルの規格別一覧表を参考に、それぞれの転送速度を確認してみましょう。
USBの規格
規格 | 最大転送速度 |
---|---|
USB1.0 | 12Mbps |
USB1.1 | 12Mbps |
USB2.0 | 480Mbps |
USB3.0 | 5Gbps |
USB3.1(Gen1) | 10Gbps |
USB3.1(Gen2) | 10Gbps |
USB3.2 | 20Gbps |
USBケーブルはコネクタの形状の種類がType-A,B,Cとあり、そのほかにminiA,B,CとmicroA,B,Cなどがあります。
基本的に規格が新しいものはType-Cの形状が用いられ、製品には形状と規格がセットで記載されているのでチェックしてみましょう。
LANケーブルのカテゴリ
カテゴリ | 最大伝送(通信)速度 |
---|---|
CAT5 | 100Mbps |
CAT5e | 1Gbps |
CAT6 | 1Gbps |
CAT6A | 10Gbps |
CAT7 | 10Gbps |
CAT8 | 40Gbps |
LANケーブルもUSBケーブル同様に、新しい規格ほど速度が速いのでCAT6以上がおすすめです。
USBケーブルと違ってどの規格もコネクタ形状が統一されていますが、LANケーブルと機種同士のカテゴリを合わせないと通信速度が大幅に低下する恐れがあります。
LANケーブルは新旧のカテゴリ同士に互換性があり、規格を合わせずに接続してしまうケースが多いです。
「有線接続をしたらポケットWiFiが遅くなった」という場合、LANケーブルのカテゴリを新しいものに変えることをおすすめします。
3.電波の届きやすい場所で使わないと通信が安定しない
ポケット型WiFiは回線自体が無線の電波であるため、そもそもの電波が入りにくい場所では有線接続でも通信が不安定になります。
パソコンとポケット型WiFiの距離が近くても、電波が届いていなければ通信速度が遅い、または「インターネット接続なし」などの表示が出てしまい、インターネット自体に接続できないケースがあるのです。
窓際や障害物がない広い場所にポケット型WiFiを置き、なるべく電波の届きやすい場所で使いましょう。
デスクトップパソコンを使用している場合、あらかじめポケット型WiFiでの有線接続を前提としたスペースの確保が必要です。
パソコンとポケット型WiFiが有線接続できないときの5つの対処法
先述した3つの注意点を抑えているのに、それでも「正常に有線接続ができない!」というケースも考えられます。
「ポケット型WiFiの通信速度が遅い」「パソコンの表示がインターネット接続なし」となった場合には、次にあげる5つの対処方法を試してください。
- 電源を入れ直す
- クレードルの場合|ACアダプタがしっかり挿し込まれているか確認する
- USB・LANのケーブルを交換する
- OSとドライバーを最新のものにバージョンアップする
- セキュリティソフトを一時的に止める
パソコンとポケット型WiFiの有線接続を万全にするため、最後のチェックをしていきましょう。
1.電源を入れ直す
ポケットWiFiやパソコン、スマートフォンなどは、時間が経つにつれて本体内部のメモリが消費されていきます。
メモリ不足による情報処理速度の低下は、通信速度の低下の原因になりやすいです。
パソコンやポケット型WiFiの電源を入れ直すことで、負荷が掛かったメモリをリフレッシュさせることができます。
ポケット型WiFiが遅くなったと感じたときは、電源の入れ直しを試してみましょう。
また、長時間の起動や夏場での使用、熱がこもりやすい場所では、本体が熱暴走を起こして不具合が起きている場合があります。
そのときは一度電源を落とし、熱くなっている本体をしばらくの間はクールダウンさせましょう。
2.クレードルの場合|ACアダプタがしっかり挿し込まれているか確認する
ポケット型WiFiをクレードルから有線LAN接続している場合、クレードル本体のACアダプタがしっかり挿し込まれているかを確認しましょう。
中途半端な状態で挿し込まれていると、不具合や故障の原因になりかねません。
同様に、LANケーブルの挿し込み確認も行っておきましょう。
3.USB・LANのケーブルを交換する
ケーブル類は古くなると経年劣化や断線などが原因で、転送速度が低下することがあります。
古くなったケーブルはそのまま使おうとせず、できる限り最新のものに変えるのが望ましいです。
旧規格のケーブルでは機器によって速度の保証がされていないので、ポケット型WiFiの通信速度を上げるのであれば、できるだけ最新規格のものに交換することをおすすめします。
規格選びの目安として、USBケーブルなら3.1以上、LANケーブルならCAT6以上のものを選びましょう。
ケーブルの長さによる通信速度の影響は誤差なので、自分が有線接続をする範囲内のものを選んで問題ありません。
4.OSとドライバーを最新のものにバージョンアップする
ポケット型WiFiでUSBによる有線接続をする場合、通常はパソコン側でドライバーを自動で認識してくれます。
ただし、OSやドライバーのバージョンが古い場合、パソコン側がポケット型WiFiを認識できずに接続できないことがあるのです。
ドライバーはUSBの提供元から最新型をダウンロード、OSはバージョンのアップグレードをすれば解消する可能性が高くなるので試してみましょう。
OSがWindows11の場合、USBのドライバーかポケット型WiFiそのものが対応していない可能性があります。
Windows11を使っている場合はWindows10へのダウングレードか、OSやドライバーが対応するまでの間、USB接続以外の別の接続方法を検討しましょう。
5.セキュリティソフトを一時的に止める
使用しているセキュリティソフトによっては、USB接続時にドライバーやデバイスのインストールが阻害され、パソコン側がポケット型WiFiを認識できないケースも少なくありません。
そういったケースでは、一時的にセキュリティソフトを止めることで正常にインストールやデバイスの認識が行われ、USB接続が可能となる場合があります。
それでもインストールできないケースでは、ダウンロードファイル自体が壊れている可能性があるので、インストーラーを再度ダウンロードして再インストールを行いましょう。
セキュリティの観点から、セキュリティソフトの一時停止はあまりおすすめできません。
一時停止を試す前には、ポケットWiFi設定画面を開いてWiFiやセキュリティ設定をチェックすることをおすすめします。
まとめ
今回は、ポケット型WiFiとパソコンの有線接続について解説してきました。
有線接続の手順からメリットとデメリット、有線接続をするときの注意点や接続できないときの対処法はいかがだったでしょうか?
WiFiは無線電波の特性上、どうしても通信速度の安定性に不安があります。
動画やオンラインゲームを楽しむときは、遅延やラグなどがないストレスのない環境で楽しみたいものですよね。
そういったときには、ポケット型WiFiを有線接続に切り替えることで通信速度が改善され、映像やゲームをパソコンの大きな画面で快適に楽しめます。
ポケット型WiFiをもっと便利に使うのなら、パソコンとの有線接続方法を覚えておいてそんはありません。
ただし、そのための周辺機器や通信規格を合わせるなど、少しの手間が掛かることを覚えておきましょう。
当サイトではポケット型WiFiに関する様々な情報を随時提供していますので、もっと知りたい人は別の記事もご参照ください。